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古文真寶 -7/10 [稲門機械屋倶楽部]

                                               2012-06 WME36 村尾鐵男 

蘭亭序(続き) 王義之


脩短随化、終期於盡。知一死生爲虚誕、齋彭殤爲妄作。


脩短(シュウタン)、化に随(シタガ)うも、終(ツイ)に盡(ツ)きるに期す。
死生(シセイ)を一(イツ)にするは虚誕(キョタン)爲(タ)り、彭殤(ホウショウ)を齋(ヒトシ)くするは妄作(ボウサ)爲(タ)るを知る。

 寿命の長い人も短い人も、いつかは終わって尽きる。死も生も一つだと言うが、それは偽りだ。(八百歳まで生きた)彭を(二十歳前に死んだ)殤と同じだと言うが、それも偽りだ。


 東京江戸博物館に展示された王義之の書は写真に撮って拡大されて、あの広大な展示場の壁面一杯に掲げられていました。長い中国文には「之」、「是」、「也」等の文字が幾度も現れますが、前記の藤澤氏の指摘に従ってよく観ると、王義之はこの幾度も書く文字の書体が総て変えてありました。


 王義之の書は、三百年ほど後の唐王朝の二代皇帝太宗が甚だ気に入って、皇帝の特権を行使して大半を収集しました。収集したまではよいのですが、太宗皇帝が「我、死す後は王義之の書を我と共に陵墓へ埋葬せよ」と言い残したため、僅かな書を除いて現存するものはありません。


 東京江戸博物館で私が観た「蘭亭序」も、後世に残った王義之の書を見て、その書体を誰かが模して書いたものです。


 唐の太宗は、唐王朝を建国した李淵(高宗)の子で、兄と弟を殺して皇位に就きました。しかし、その政治は「貞観の治」と呼ばれて唐王朝の基礎を磐石にし、又、数々の善政によって今でも最高の皇帝であると評価されています。


 尚、「蘭亭序」は諸橋轍次著「中国古典名言辞典」を参考にさせていただきました。


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